- 子どもアトピー性皮膚炎とは
- 子どもの年齢別で変化する、
症状の出やすい部位の特徴 - 子どものアトピー性皮膚炎の原因
- 子どものアトピー性皮膚炎の治療
- 薬(外用薬)の正しい塗り方
- 子どものアトピー性皮膚炎のQ&A
子どもアトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に繰り返す病気です。
湿疹は、「赤み」「ブツブツ」「皮むけ」「皮膚の肥厚」「かさぶた」などを伴い、ほぼ左右対称に現れます。 慢性的な状態とは、1歳未満で2カ月以上、1歳以上で6カ月以上症状が続くことを指します。
当院では、アトピー性皮膚炎の患者さんにも適切な診療を提供しています。
主な症状
- 赤くなる
- 皮膚がカサカサで剥ける
- 小さなブツブツができる
- 皮膚が厚くなる
- かさぶたができる
子どもの年齢別で変化する、
症状の出やすい部位の特徴
アトピー性皮膚炎は全身に発症しますが、年齢によって症状が出やすい部位は異なります。
当院では、年齢や症状に合わせた治療を行っています。
乳児期(~2歳未満)
乳児のアトピー性皮膚炎は、頬や額、頭などの露出部に乾燥や赤みから始まることが多いです。
かゆみを伴うぶつぶつやかき傷ができると、首、脇、肘、膝などに広がり、重症の場合、体幹や四肢にも及びます。
当院では、乳児のアトピー性皮膚炎についても適切な診療を行っております。
小児期(2~13歳)
幼児期から学童期のアトピー性皮膚炎は、首、脇、肘の内側、膝の裏、手首、足首に多く見られます。
顔よりもこれらの部位が中心となります。
重症化すると腹部や背中にも症状が現れ、顔、腕、脚を掻きむしることで悪化する場合もあります。
当院では、お子さんの年齢や症状に合わせた治療を提供しています。
思春期以降(13歳以上)
思春期以降のアトピー性皮膚炎は、顔、首、胸、背部など上半身に症状が強く出る傾向があります。
当院では、重症のアトピー性皮膚炎にも適切な治療を提供しています。
子どものアトピー性皮膚炎の
原因
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能低下と過剰な免疫反応が原因です。
乾燥した皮膚はバリア機能が低下し、外部刺激を受けやすくなります。
すると免疫機能が過剰に反応し、炎症を引き起こします。 また、かゆみ神経が皮膚表面まで伸びているため、かゆみを感じやすく、掻くことでバリア機能がさらに低下する悪循環に陥ります。
疲労やストレス、皮膚への刺激も免疫機能を不安定にし、炎症を悪化させる要因となります。
当院では、これらの悪循環を断ち切るための治療を一人ひとりの状態に合わせて提供しています。
子どものアトピー性皮膚炎の
治療
アトピー性皮膚炎は、症状の程度により軽微、軽症、中等症、重症の4段階に分類され、それぞれ適切な治療法が異なります。
当院では、外用薬、保湿剤、内服薬、注射剤などを用いて治療を行います。
症状が改善した後も、皮膚バリア機能を維持するために保湿剤の使用を継続することが重要です。
外用薬
外用薬は、医師の指示に従って使用してください。 過剰な免疫反応を抑制する効果があります。
①ステロイド外用薬
ステロイド外用薬を使用することで、過剰な免疫反応を抑制します。
②免疫抑制外用薬
タクロリムス軟膏などの免疫抑制外用薬は、ステロイド外用薬治療後の維持療法や、ステロイド長期使用による副作用軽減のために用いられる場合があります。
状態に合わせて適切な外用薬を選択いたします。
③保湿剤
保湿剤には、軟膏、クリーム、ローションなどがあり、皮膚症状の改善や再発予防に効果的です。
皮膚の保湿を維持することでバリア機能を高めます。
一人ひとりの肌質に合った保湿剤の選択についてもアドバイスいたします。
内服薬(飲み薬)
①抗ヒスタミン薬・
抗アレルギー薬
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬は、痒みを軽減し、掻き壊しによる症状悪化を防ぎます。
掻くことで皮膚のバリア機能が損なわれ、湿疹が悪化するため、痒みを抑えることは非常に重要です。
かゆみの程度に合わせた適切なかゆみ止めを処方いたします。
②ステロイドの飲み薬
外用薬で効果が不十分な場合、内服薬を使用することがあります。
内服薬は強力な免疫抑制効果があり、短期間での症状改善が期待できます。
③免疫抑制剤
重症のアトピー性皮膚炎で、16歳以上の場合、これまでの治療で効果がない場合に限り、免疫抑制剤による治療を行う場合があります。 服用期間は最長3ヶ月で、休薬期間が必要です。
血圧上昇や腎機能低下の副作用に注意が必要です。
当院では免疫抑制剤の処方は行っておりませんので、必要な場合は専門医療機関へご紹介いたします。
スキンケア
アトピー性皮膚炎のスキンケアの基本は保湿です。
皮膚を清潔に保ち、保湿を徹底することが重要です。
当院では、以下のスキンケア方法を推奨しています。
- ぬるま湯で入浴する。
- タオルでゴシゴシ擦らず、手や指で優しく洗う。
- 汗や汚れを早めに落とす。
- 入浴後はすぐに保湿する。
- 香料や添加物の少ない製品を選ぶ。
原因の除去
アトピー性皮膚炎の悪化を防ぐためには、生活環境の改善も重要です。
当院では、以下の対策を推奨しています。
- 爪を短く切る。
- 室内を清潔に保ち、ハウスダストを除去する。
- 化学物質を含まない洗濯洗剤を使用する。
- 洗濯物を十分にすすぐ。
- 刺激の少ない衣類を着用する。
薬(外用薬)の正しい塗り方
外用薬は、医師の指示に従って適量を患部に優しく塗布し、併せて保湿剤を使用してください。
皮膚の部位によって吸収率が異なるため、正しい使用方法を守ることが重要です。 ご不明な点は、お気軽に当院へご相談ください。
- 清潔な乾いた手で塗布する。
- 力を入れてこすらない。
- 保湿剤を併用する。
- 手のひらは吸収力が弱いため、入浴後などに塗布する。
- 塗布量は1FTU(フィンガーチップユニット:指先から第一関節まで)約0.5gを目安に、手のひら2枚分の範囲に塗る。
また、症状が改善した後も、プロアクティブ療法(塗布頻度を徐々に減らす方法)を行うことで再発予防に繋がります。
自己判断で塗布を中止するリアクティブ療法は、再発を繰り返す可能性があるため推奨しません。
プロアクティブ療法についても適切な指導を行っております。
子どものアトピー性皮膚炎の
Q&A
アトピー性皮膚炎は、食物アレルギーと関係がありますか
皮膚のバリア機能の低下は、アレルゲンの侵入を容易にし、食物アレルギーの発症リスクを高めます。
新生児期からのスキンケアで乳児期のアトピー性皮膚炎の発症を抑制し、ひいては食物アレルギーのリスク軽減に繋がることが報告されています。 湿疹のある乳児は、湿疹のない乳児に比べて食物アレルギーの発症リスクが7倍以上と言われています。
当院では、アトピー性皮膚炎の適切な治療を通して皮膚のバリア機能を高め、食物アレルギーの発症リスク軽減に努めています。
体を洗うときに注意することはありますか
皮膚を清潔に保つために、石鹸をよく泡立て、手のひらや柔らかいタオルで優しく洗いましょう。
ぬるま湯で泡をしっかり洗い流し、洗い残しがないようにしてください。
洗い残しは湿疹や乾燥の原因となります。
石鹸は、色素や香料などの添加物が少ないものを選び、皮膚への刺激を最小限に抑えましょう。
ステロイドと保湿剤は一緒に塗っても問題ないですか
保湿剤とステロイド外用薬を併用する場合は、保湿剤を塗布した後に、ステロイド外用薬を必要な部分に重ね塗りします。
当院では、塗布の手間を軽減するために、保湿剤とステロイド外用薬を混合したものを処方することも可能です。
免疫抑制剤を塗るとヒリヒリします
タクロリムス軟膏は、塗布開始時にヒリヒリ感やかゆみなどの刺激が生じることがあります。
入浴後など体が温まっているときは刺激が強くなるため、体が冷めてから塗布すると良いでしょう。
保湿剤を先に塗布したり、冷やすことで刺激を軽減できます。
刺激の感じ方には個人差がありますが、通常は1週間程度で治まります。
症状が強い時期は刺激が強いため、ステロイド外用薬で炎症を抑えてから切り替えることをお勧めします。